日本と世界の労働環境の違いと改善に向けた取組み - メーデー 2018年5月1日 -

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日本と世界の労働環境の差とその要因

日本と世界の労働環境の違いは、その国民性に大きく影響されます。特に、日本人は勤勉で従順だと言われていますが、仕事に対する取組みにもそのことがはっきりと表れています。

具体的には、会社のためなら自分のプライベートを犠牲にすることを辞さない人が多く、また、他人にも強要することから、パワハラや不払い残業といった不適正事案を引き起こしやすい労働環境を作り上げてしまいがちです。

一方、欧米を中心とした世界の人々は、まず、プライベートが優先され、その次に仕事があるので、勤務時間はきちんと守りますし、勤務時間外に働くのであれば、それ相応の賃金を要求します。

その反面、企業は生産性に対して非常にシビアですから、能率が悪いと判断されると、簡単に解雇されてしまうなど、ドライな労働環境が構築されているのです。

日本と世界の労働時間の違い

労働環境の基本は、労働時間にあると言っても過言ではありません。日本では、自分の担当する仕事が終わらなければ、残業は当然だと言った風潮が根強く残っており、始めから残業ありきで働いている人も少なくありません。それどころか、残業が美徳だと感じている人も多く、例え残業手当がつかなくても、仕事をしたがる傾向が強いことが特徴的です。

一方、世界のトレンドは総労働時間の短縮であり、社員の健康管理の徹底です。特に、健康管理については、非常にシビアであり、例えば、長時間労働が原因で部下社員が体調を崩してしまうと、上司は問責の対象となり、重い処分が待っています。

また、特に欧米では、部下が上司や企業を相手取って訴訟を起こすことも日常茶飯事であり、訴えられた企業は社会的にも大きな制裁を受けることになります。

休暇日数や申請方法の違いと暗黙のルール

いわゆる有給休暇の日数について、日本と世界の国々に大きな差はありません。大きな差があるのは、与えられた休暇を実際に取得するか否かの点です。

日本の場合、多くの人が有給休暇を取得せず、俗に言う「流す」ことが普通に行われています。基本的には、お盆と年末年始は休暇を取得しますが、全員が休暇を取得せず、誰かが交代で出勤していることが暗黙のルールとなっており、休暇が取得しにくい労働環境だと言えます。

これに対して世界の人々は、休暇は与えられた権利としてしっかりと取得しますので「流す」ことはあり得ません。万が一、取得できない事態が発生すれば、マネジメント能力が不足しているとして、上司は厳しく問責に問われます。

また、企業自体も基本的にクリスマスなどは、一斉に長期休暇に入ることが習慣化されていますので、休暇が取得しやすい労働環境であることは言うまでもありません。

改善されつつある労働環境とは

日本が世界の労働環境と比較して、最も改善を必要としているのが勤務時間と休暇です。勤勉と言えば聞こえは良いですが、仕事をし過ぎて体を壊す人が多いにも関わらず、訴訟になりにくいのは日本だけです。

ここ数年、マスコミを通じて、長時間労働や休暇の未取得といった、過酷な勤務実態が問題とされるようになり、ようやく日本も勤務時間や休暇取得の改善に向けて、厚生労働省が中心となって対策を講じており、それに呼応する形で、各企業も総労働時間の短縮や確実に休暇を取得する仕組みづくりに着手しています。

例えば、ノー残業デーを設定して、社員を強制的に帰宅させたり、残業を必要としない作業効率の良い社員に対して手当てを設ける企業もあります。また、休暇の完全取得に向けては、年度当初に有給休暇のうち何日間かについて、あらかじめ取得日を決めて、その日は必ず休ませるといった措置を講じています。

労働環境を改善する為の企業努力

日本と世界の労働環境の差は、その国民性に大きく影響を受けていますが、一言でいうと「勤勉」になります。さらに、集団行動を好む日本人にとって、一人でも外れた行動をすると、例え正しい行為でも激しく攻め立てることがあります。不払い残業の強要や進んで残業手当を放棄する行動は、世界の人々から見ると「クレイジー」な行為に映ります。

ようやく、日本人もそのことに気が付き始め、先進的な考え方を持っている企業においては、労働組合と意見交換を重ね、生産性を落とさないで総労働時間を圧縮する方法を検討しており、実際に成果を上げています。

また、度重なる企業の不祥事から、長時間労働は「悪」だとの認識も広まってきていますので、今後、さらに勤務時間や休暇に係る労働条件は改善されていくことが予測されています。

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