世界赤十字デー(World Red Cross Day) - 2017年5月8日 -

世界赤十字デーの起源や語源、歴史、
また世界赤十字デーに行われる行事など世界赤十字デーに関することを解説。

-AD-

世界赤十字デーとは

スイス人の実業家であったアンリ・デュナンは、1859年にイタリアの統一戦争の激戦地ソルフェリーノにおいて4万人にものぼる死傷者の悲惨な状況を目の当たりにします。そこでデュナンは村人とともに戦場に倒れていた負傷者の救護に当たりました。そして、「苦しむ人々は敵味方関係なく救護しなくてはならない」という思いを強く抱き、「ソルフェリーノの思い出」という本を執筆します。この本はヨーロッパ各地に反響を呼び、赤十字思想が誕生することになるのです。

アンリ・デュナンは1863年、ジュネーブで赤十字国際委員会の前身である「国際負傷軍人救護常置委員会(五人委員会)」を設立します。赤十字は戦場において敵味方の区別なく負傷者の救護に当たることを目的とする組織です。その後、アンリ・デュナンは赤十字の創設者としてノーベル平和賞の第一回受賞者となりました。そんなアンリ・デュナンの功績を讃えて1948年の赤十字社連盟理事会で彼の誕生日である5月8日が世界赤十字デーと定められました。

日本では1952年に日本赤十字社法が制定され、日本赤十字社が設立されました。日本赤十字社では全国に病院を持ち、献血などの血液事業や災害時の救護活動、募金などのチャリティ活動、日本国外で起きた災害への救援事業などが行われています。これらの活動が広がるにつれて、世界赤十字デーのある5月には赤十字運動月間が展開されるようになりました。今では、赤十字運動月間には日本赤十字社の活動を伝える様々なイベントやキャンペーンが行われています。

最近の世界赤十字デーでは、5月8日を中心に全国各地の建物を赤十字色に彩る「赤十字ライトアップ運動」が行われました。表参道ヒルズや六本木ヒルズ、さっぽろテレビ塔、善行寺、名古屋テレビ塔、松山城など数多くの建物が参加しています。また、表参道の中央分離帯に国旗、赤十字旗、キャンペーン旗を掲げるイベントや、赤十字の活動を伝える写真展などが開催されたりしています。募金箱も設置されて、募金を呼びかけるなどの活動も行われています。

長い活動の中から生まれた「原則」とは

赤十字が誕生したのは1864年ですが、当初の16か国から現在では190か国以上が参加する巨大な団体となっています。赤十字にはこうした歴史の中から、7つの基本原則を制定しました。

この原則は「人道」を中心に、その考えを支える「公平」「中立」「独立」「奉仕」「単一」「世界性」という考えがあります。これは人間の生命はいかなる国家、宗教、社会的地位によって差別されるべきでなく、公平でなくてはならないという考えのもと、敵味方関係なく、苦しんでいる人がいたら助けることを中心とした考えであります。

多くの国がこの条約に参加しており、赤十字を掲げる者を攻撃対象とすることを禁止されています。

赤十字の基本7原則とは

赤十字の原則的考えは、戦場であっても苦しんでいる人を助けたいという思いから生まれました。そのため、国際的、国内的に人種や国家を超えて相互に協力し合うことを誓い、平和的を強固にするものとされています。

イスラム圏においては赤十字の赤い十字架のマークが十字軍を彷彿させるとし、赤十字ではなく赤新月として活動をしています。十字軍とは、エルサレムをイスラム圏から奪取するために組まれた遠征隊のことです。キリスト教圏から見れば義勇軍ですが、イスラム圏から見ると十字軍は征服軍だったのです。

赤十字の活動は国境を越えて行われますので、戦場であっても活動を支えるためには各国の協力と理解が必要です。

原則「人道と公平」について

赤十字では人種や宗教、国籍や社会的地位で人を差別することなく、治療に順位を付けるのはその「苦しみの度合い」からです。これはいかなる人であっても、公平に扱うという理念のもと行われています。

赤十字は戦地だけのものではなく、国内にも多くの病院や関連施設があります。こうした施設でも基本的原則のもとに活動を行っていますので、場合によっては処置の順序が変わることもあります。

これはより苦しみを抱えている人を優先するという原則のためなのです。人間の尊重を守るために、いかなる状況かでもその人の属性で判断することはありません。

赤十字は国連加盟国の中でほぼすべての国で活動をしていますが、一部赤十字がない国もあります。

原則「独立と奉仕と単一」について

赤十字はこうした公平な立場を維持するために、独立した組織でなくてはなりません。いかなる国も赤十字に干渉してはならず、赤十字の活動はその国の人道的事業の補助者という役割を果たしています。また、赤十字はそうした活動の中で利益を求めることはありません。

単一も重要な原則の1つです。国内にいくつもの「赤十字」があれば、ライバルのような立場になってしまうこともあります。そのためその独立性と活動を維持するためには同じ思想のもと、1つの赤十字しか認められないのです。

赤十字はその国のすべての人に門戸を開き、人道的事業を行うものとされています。ただし赤十字マークを間違えて使ってしまっている人や会社もありますので注意が必要です。

原則「世界性」について

世界にはさまざまな国や地域があり、ほぼ、その数だけ赤十字や赤新月が存在しています。紛争や戦争、飢饉や災害は国境を越えて起こることが多く、各国の赤十字は相互に協力をして問題を解決することが原則とされています。そのため国によって権利に違いはなく、どの国の赤十字・赤新月であっても同等の権利を有するとされています。

中立の立場で世界の苦しんでいる人を助けるために、このような原則は非常に重要で、赤十字で奉仕をしている人達の心の支えにもなっています。時には戦場で危険に巻き込まれてしまうこともありますが、協定に参加している国々も敵味方関係なく、彼らの活動をサポートしなくてはならず、利益のために利用してはなりません。

この記事が気に入ったらいいね!しよう