新生活という言葉の起源について - 新生活 2018年4月30日 -

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現在使われている「新生活」の意味

進学したり、就職したりでこれまでとは違った学校に行くことになったり、場合によっては親元を離れたり。春は生活が大きく一新する季節です。会社で異動になって転勤なんてこともあるでしょう。

春だけではありません。結婚や出産などを経てもライフスタイルの大きな変化は起こります。

新しく始まる生活、それを「新生活」と言います。ただ同じ学校内で1年生から2年生に上がってクラスが変わったというときよりも、むしろ引越ししたり一人暮らしを始めたりといったときに使われることが多いです。

現在では普通に使用されている言葉ですが、実は第二次世界大戦後が起源とされる言葉で歴史的には新しいのです。その時代、新生活活動というのが行なわれたのです。それがきっかけで生まれた言葉です。

新生活運動とはどういうものか

第二次世界大戦直後というと敗戦して日本が経済的に困窮していた時代です。そんなときに各地で新生活運動という住民運動が広まっていったのです。1955年に鳩山首相が提唱し、その後財団法人新生活運動協会が設立されて活動し始めたのです。その要因となったのは葬儀の際の香典や香典返しによる経済的な負担であると言われています。

「転勤や転校による新しい生活」という現代の意味と違い、貧乏だった時代に生活の無駄や見栄をなくし生活を簡素化しよう・経費削減に努めようというのが新生活の意味となるので、かなり違います。高度経済成長の中で生活が豊かになっていくと、この新生活運動は次第に忘れ去られていきました。ただ現在でも関東北部などで香典を渡すときにこの運動が残っている地域もあります。

新生活運動の具体例について

地域により差はあるものの、香典が要因となる以上、冠婚葬祭に関する取り決めがされたのです。

結婚式は公共の施設で行なうようにしよう・葬式の際に香典の金額を少なくする代わりに香典返しは辞退しよう・お膳や会食の金額には制限を設けよう・生花や盛篭は2対までにしよう、などの内容が明確に決められていました。
見栄で多くのお金を使うのではなく、虚礼的な贈答も一旦取りやめることで日本経済の建て直しをしようとしたのです。

関東北部で残っている習慣でも、「新生活」とある受付で香典を渡すときは「香典返しは辞退します」と記された袋を使用するようにしています。

春、大きなライフスタイルの変化に不安と期待いっぱいに踏み出す新しい生活、それを指す言葉とは真逆の意味を起源にこの言葉は生み出されたのです。

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